予告編が良さげだったんですよ。シンガポールを舞台にしたクライムもので、なんかこう、おしゃれで派手なやつを期待していました。

どうも!無趣味社会人ことたっつーです!!
ということで金曜の夕方、公開初日に「マジカル・シークレット・ツアー」を観てきました。劇場はT・ジョイ品川プリンス。
そういえば邦画を映画館で観るのは久々。ラストマイル以来です。いつもはサブスク配信派の私が重い腰を上げたのは、冒頭に述べたように予告編に惹かれたからです。ってことで感想を早速残しておきます。
※ネタバレありの感想は後半に置いておくので、未見の方は途中まででどうぞ。
品川駅前で、いきなりパチンコ屋に吸い込まれた
劇場は初めてのT・ジョイ品川プリンス。品川駅から歩いて向かおうとしたんですが、駅前に「Hollywood」と書かれた古びた建物があったんですよ。

「お、これか」と思ってためらいなく入ったら、普通にパチンコ屋でした。
ハリウッドという字面だけで映画館だと信じ込んで突撃する独身アラサー。我ながらワロタ。ジャラジャラした音に包まれて軽く我に返り、スマホで地図を見直してちゃんとした劇場に向かいました。コミュ障には店員さんに道を聞くという選択肢が最初から存在しないので、こういうとき全部自力です。
T・ジョイ品川プリンス、座席がゆったりしてて良かった

気を取り直して劇場へ。金曜の夕方ということもあって、飲食売店はまぁまぁ混んでました。みんな仕事終わりに映画でも観てリフレッシュしようという感じなんでしょうか。
で、実際に座って一番良かったのが座席です。
T・ジョイ品川プリンス、TOHOシネマズやMOVIX系の映画館に比べて座席間の距離がゆったりめなんですよ。 前の人との間隔に余裕があって、足元も窮屈じゃない。映画館って2時間近く同じ姿勢で座りっぱなしになるので、このゆとりは地味にめちゃくちゃありがたいです。
作品の内容とは関係ないところですが、一人でゆったり観るには良い劇場でした。
余談:この映画、なぜかTOHOシネマズだとあまりやってない
そもそも私がT・ジョイ品川プリンスを選んだのには、ちょっとした事情があります。
この映画、TOHOシネマズだと上映している劇場がやけに少ないんですよ。最初は近所のTOHOで観るつもりだったのに、調べてみたらほとんどやってないんですね。その理由は、配給会社と映画館の「系列」です。
マジカル・シークレット・ツアーの配給はアスミック・エースという会社。いわゆる独立系の配給会社です。一方、TOHOシネマズは名前の通り東宝の系列の映画館。日本の映画館って、ざっくり言うと東宝・松竹・東映の大手3社がそれぞれ自分の系列の映画館を持っていて、自社や関係の深い作品をどうしても優先して多めにかけがちなんですね。
つまり東宝と資本関係のないアスミック・エース配給の作品は、TOHOシネマズだとスクリーンの枠を取りにくい。結果として、イオンシネマやユナイテッド・シネマ、そして私が行ったT・ジョイあたりが上映の中心になる、という映画業界ならではの事情なのでした。
シンガポールの映像が、とにかく楽しい

肝心の本編ですが、まず映像の話からすると、これはかなり良かったです。
舞台がシンガポールなんですが、その街並みや空気感を映した映像がとにかく楽しい。観たことのある人にはおなじみのあのスポットや、ごちゃっとした路地や、近未来的な建物が次々と出てきて、スクリーンの中でちょっとした観光気分が味わえます。 海外旅行に行きたい欲がじわじわ刺激されました。
ただ、作品のジャンルとしては、事前に思っていたのと少し違いました。予告編から勝手に「クライムエンターテイメント」を想像していたんですが、実際に観るとどちらかというとクライムヒューマンドラマに近いんですよね。派手なアクションでぐいぐい引っ張るというより、人間の心の動きをじっくり描くタイプ。これ自体は良し悪しではないんですが、心の準備がエンタメ寄りだったので、序盤は「あれ、そういう感じ?」と少し戸惑いました。
ここからネタバレありの感想です
あらゆる面で黒木華が良すぎた
まず声を大にして言いたいのが、黒木華がとにかく良かったということです。
冴えない研究者という役柄がまずハマっていて、華やかさを抑えた佇まいが説得力ありまくり。さらに関西弁の演技がこれまた自然で、観ているこっちが「この人、本当にこういう人なんじゃないか」と思えてくるくらい。物語のいろんな場面で、彼女の芝居が画面をぐっと引き締めていました。
正直、この映画で一番記憶に残ったのは黒木華の演技です。これは間違いない。
まさかのエンディングが椎名林檎「ありあまる富」
そしてもう一つ、個人的に不意打ちだったのがエンディング。
なんと椎名林檎の『ありあまる富』が流れてきたんですよ。これにはびっくりしました。確かに映画のテーマに合っている歌詞と曲調なので、選曲としては納得なんですが、あの曲ってもう15年くらい前の楽曲なんですよね。
私、学生時代にこの曲をよく聞いていたんです。なので映画の内容とは全然関係ないところで、急に学生の頃の記憶がブワッと蘇ってきて、ストーリーと関係ないところで勝手にエモくなってしまいました。
正直、ラストが色々と中途半端だった
全体的に、あの予告編ならもう少し派手にやった方が良かったと思うんですよ。シンガポールの撮影シーンはとても良いんだけど、やっぱりエンタメ的な展開はもっと欲しかった。そして何と言っても、ラストが色々と中途半端でした。
最後、有村架純のすっきりしない表情で終わるんですが、これがモヤッと残る。確かに、思い通りにならないことの方が多い人生で、結局何を得て何を失ったのかよくわからなかった、みたいなことは現実には多々あるわけです。だからある意味リアルではある。でも、そこに至るまでの過程が「よくあること」ではなさすぎると思うんですよね。
そもそも、あれだけの行動力と度胸のある人間なら、辿り着く結末が同じだったとしても、その後の展開はもっと違うものになるんじゃないか、とも感じました。中途半端に普遍性を取り入れようとしすぎて、却って刺さりづらくなっている、というか。
印象的だったのが、上映後、同じスクリーンから出てきた女性2人組の会話です。「私の人生にも起こるよね、みたいなことが全くなかったね」と言い合っていて、そうそう、そんな感じだったよね、と心の中で深く頷きました。普遍性を狙ったはずが、観客には「自分ごと」として届いていなかったんじゃないかなー。
まとめ的なやつ
| 項目 | 感想 |
| 黒木華の演技 | ★★★★★ |
| シンガポールの映像 | ★★★★☆ |
| エンディング(個人的エモさ込み) | ★★★★☆ |
| エンタメとしての派手さ | ★★☆☆☆ |
| ラストの納得感 | ★★☆☆☆ |
色々言っちゃいましたが、全体的に見れば良かったと思います。黒木華の演技とシンガポールの映像だけでも観る価値はあるし、普通に面白い映画です。
ただ、「絶対に映画館の大スクリーンで観るべき!」というタイプかと言うと、そこまでではないかもしれません。配信で観てもたぶん満足度はそんなに変わらない気がします。
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