社会人におすすめの資格としてたびたび話題にあがる簿記検定。「企業会計におけるお金の流れ」がわかるようになるため、業種職種問わず人気資格です。

どうも!無趣味社会人ことたっつーです!!
そんな簿記検定には1級・2級・3級・初級があり、中でも企業会計の一連の流れがわかるようになり実務面でも役立つことが多いと言われるのが簿記2級です。
簿記3級に比べると難易度はだいぶ上がりますが、学習することで決算書が読めるようになったり、取得すると転職活動でも一定の評価が得られたりと、メリットが大きいのです。
私は簿記3級を取得後すぐに簿記2級の学習を開始し、2ヶ月間の勉強で無事合格することができました。実際の学習難易度や試験の所感、取得後のメリットを紹介したいと思います!
簿記2級の概要
まずは簿記2級試験の概要を見ておきましょう。
出題範囲:商業簿記・工業簿記
合格率:20%~40%程度
学習時間:200時間前後
試験時間:90分
受験料:5,500円
合格点:70点/100点満点中
試験は大問5つからなっており、第1問~第3問が商業簿記、第4問・第5問が工業簿記です。
いきなり簿記2級から学習を開始は可能か?
簿記2級には特に受験資格がないため、簿記3級を勉強しなくても簿記2級を受験することは可能です。ここで多くの人が疑問に抱くのは「3級の学習をスキップしていきなり2級から学習を開始してもいいのか」ということです。これに対するアンサーとして、受験はしなくてもいいから3級から学習を開始すべきという考えが主流なわけですが、これに関しては100%同意です。
そもそも簿記2級で学ぶ知識は3級で学んだことを土台にして話が進んでいくため、簿記3級で学ぶ基礎知識がなかったらあらゆる場面で「?」となる論点が出てきます。よくわからなくて結局簿記3級から学びなおすという2度手間になっちゃうと思います。急がば回れの代名詞、それが簿記3級といえましょう。
簿記2級の学習に使用した教材
学習に使用させていただいたのは簿記3級に引き続きふくしままさゆきさんのYouTubeチャンネルです。
簿記検定の講義動画をあげており、簿記2級の講義動画は一部メンバーシップ(チャンネルの有料会員)にならないとみられませんが、基本的な論点はすべて無料で視聴可能です。説明がとてもわかりやすいのおすすめですよ!
私はYouTubeを見ながら自分でノートにまとめていくというローテクな学習方法です。簿記3級はYouTube以外には特に教材は使用しなかったのですが、2級はさすがに練習問題集をメルカリで購入しました。1,100円で購入し700円で売るというキャッチ&リリース方式により教材費を極限まで押さえました(笑)。
学習難易度は?
簿記2級では外貨建取引や税効果会計といった以前は1級で学んでいた範囲の論点があるため、普通に難しいです。
また、簿記3級では学習しない工業簿記が新たに加わります。工業簿記自体はしっかりと学習していけばそこまで苦戦することはないのですが、最初は聞きなれない用語がたくさん出てくるのと、商業簿記とは処理の流れが異なるため、慣れるのにある程度時間をかける必要があります。
そして!!簿記2級の最大の壁はなんといっても「連結会計」です。おそらく大半の簿記2級学習者が最も難しい論点として苦労しているのではないでしょうか。連結会計では親会社子会社間の決算処理の流れを学びますが、アップストリームだの実現利益だのとイメージしづらい概念のオンパレードです。

何が厄介って、連結会計が試験問題で必ず出題されるわけではないということ。つまり、連結会計には「捨てる」という選択肢があるわけです。ただし、出題されたときには1つの大問まるごと連結会計で出題されるパターンが定石となっていますので、連結会計を無対策で試験に臨む場合、大問まるまる20点失う可能性のある極めてリスキーな賭けになります。
私は結局連結会計をいまいち理解することができず、1年目と2年目の処理の流れだけ丸暗記して連結会計が出題されないことを願って試験当日を迎えました。。
試験当日
簿記2級はCBT方式で受験できるので、全国各地のネット試験の会場で好きな日程で受験可能です。
私は銀座の歌舞伎座に入っている試験センターで受験したのですが、受付時刻が迫っているにもかかわらず入り口がよくわからずめちゃくちゃ焦りました。警備員さんに助けを求めて事なきを得ましたが、試験の日は時間に余裕をもって行動すべきですね…
受付を済ませ試験ブースへ入室、早速問題を解き始めます。連結会計、出ないでくれ、頼む…とドキドキしながら大問2へ進むと…はい、見事に連結会計の問題でしたね。丸暗記した流れをそのまま当てはめて解き進め、なんとか解答を埋めました。
そして問題を一通り解き終えたのは試験終了7~8分前とかだったかな。結構時間ギリギリでした。わからなくて後回しにした問題に戻って、焦って電卓を叩いて終了1~2分前に解答終了ボタンを押しました。
試験結果はすぐに表示されますが、無事に合格、そして95点という高得点でした。びっくりしたのは連結会計の問題がまさかの満点だったこと。直前の解法丸暗記という作戦が功を奏したようです。

実生活や転職活動で役立つ!簿記2級の取得メリット
というわけで割と難しい簿記2級ですが、学習し取得するメリットはとても大きいです。以下は私が実際に取得して感じているメリットです。
決算書が読めるようになる
簿記2級を学習すれば決算書が読めるようになります。決算書を作成するのには、自社の経営状況を把握したり、利害関係者へ会計情報を開示したり、税金の金額を算出したり、といった目的があるのですが、簿記というのは最終的にはこの決算書を作るための処理方法なわけでして、簿記を学ぶ最大の意義といえるでしょう。
例えば決算で作成する損益計算書には、売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益など様々な利益が登場しますが、それぞれの意味は異なります。「儲かる」って実際どういうこと?がわかるようになります。
世の中の仕組みがわかる
私が簿記を学習していて面白いと感じたのは、現実のお金の動きと会計処理上のお金の動きは異なるということです。「粉飾決算」なんて言葉がありますが、決算書には作成者が恣意的に操作できる部分が存在し、それを利用して実際よりも有利(または不利)に見せることを防ぐための仕組みもあります。つまり簿記は世の中の仕組みの1つを学ぶということなのです。
例えば日々のニュースや仕事の何気ないやりとりも、こうした会計の仕組みに基づいた情報は意外と多いのです。「そういうものだから」で流してしまえばそれまでですが、本質的にはどういう根拠に基づいた情報なのかが分かっていると、様々な場面で自分の判断に役立ちます。
転職活動で評価される
転職活動でも一定の評価が得られます。未経験でも経理求人の書類選考が通るようになり、意欲をアピールできれば内定も獲得できます。
簿記2級は経理以外にもバックオフィス系の職種ではプラスに働きます。総務、労務、経営企画など、特に管理部門では経理や財務の周辺知識が業務理解に直結しますし、関係各所とお金の話をする際に企業会計の知識があるとやりとりがスムーズになります。転職はもちろん会社内のキャリアアップや部署移動に役立ちます。
簿記2級の取得はおすすめ!
ということで簿記2級の取得は、実体験からおすすめできます。
たまに簿記2級程度なんて持っていても意味ない、という意見も見られます。資格の学習や取得には労力や時間、お金を費やさなければならないので、それに見合った価値を感じられるかは人それぞれでしょう。
私の会社の経営者は、自社の貸借対照表に記載された「退職給付引当金」を、現実の口座に眠っている残高と勘違いし、そのお金があるから資金ショートすることはないと本気で言っていました。誰でも会社を設立できる今の時代、決算書が読めない経営者は意外といるのです。そしてその誤解を解かないまま経営判断してしまう経営者も。会計リテラシーがないって恐ろしいですよね。
簿記もとい世の中の大半の資格は、他社からの評価というよりも、自分自身の知識を深め、視野を広げて人生を豊かにしてくれるものだと思います。資格取得の学習を通じて得た知識は自分の財産になりますが、簿記はとりわけ活用場面や汎用性が高く、学んだ意義を感じられる場面は多いと思いますよ。

にほんブログ村
コメント